ある経済評論家によれば、今後の我が国において、所謂「強肉弱食」を避けなければならないという。
その主張の言わんとすることは、国際的に勝つべく、企業を強くするというものである。その線上として、法人税は下げなければならないらしい。
ここで考えるべきことは、競争に負けた多くの企業についてである。労働者やその家族は路頭に迷うことになる。
この対策をどうするのか。
企業が即戦力しか求めない現在、容易に労働者の移動が出来るわけではない。机上での空論である。
安定した生活が出来ないとなれば、今、政府が頭を痛めている少子化に歯車を掛けることになる。
更に合理的思考より異なる視点で考えれば、ひと握りの人を優遇することが、果たして、少子化への対策となるのか。経済的にゆとりがある場合、複数の子供を持つより、ひとりの子への教育費用となる可能性が高い。
ならば、多くの人を救うべきだろう。政府が大企業の経営者にしか、意見を訊かないため、現実との溝が生じている。
(第千二百八十四段)