最近、老眼気味である。これは誰もがなるものである。何かを食べたからといって、良くなるものではない。
それでも、巣鴨にある鰻屋の暖簾を払ったのは、身体が求めていたのだろう。
この鰻屋では、普通の鰻の他にも、八つ目鰻を出す。今回の目的は、これである。
巣鴨は、小さい頃、とげぬき地蔵へ行くために、よく家族で行っていた。相変わらず、年配者で賑わっている。
駅を出ると、まず真性寺が見え、商店街に入る。とげぬき地蔵へ向かう途中に、店がある。
この店については、中学の頃より知っている。というのも、理科Ⅱの授業で魚類の進化に関し、担当教師が話した時に、八つ目鰻の乾燥したものを持って来たからである。その際、店を教えてくれた。
尚、この教師は、今、川越の図書奉行が勤務する町に住んでいるらしい。
その八つ目鰻は、普通と異なり、かなり弾力性がある。このため、細かく分けられ、ご飯の上にある。
年配者には量が多いのか、残りを持ち帰る女性もいる。
(第千二百六十九段)