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江戸生(えどのはんい)

 江戸っ子は三代続いて江戸に住まないと、江戸っ子ではないと言われている。この場合、父方は勿論、母方にも求められる。
 そうした一方、江戸っ子は成るものという人もいる。
 ただ、生まれながらの雰囲気だけは、身に付けられないのではない。例えば、歌舞伎役者も、役者の家に生まれた否かにより、その雰囲気はかなり異なる。
 こうなると、なかなか江戸っ子には巡り合わない。
 家についてもそうである。代々江戸に住んでいたものの、祖父の代で、祖母は小岩の出身、母は東京ではない。
 小岩は、今でこそ、下町という人もあるけれど、印象的には田舎である。子供の頃、何かの折りに行ったところ、淡水に棲息する蟹さえいた。
 正直、かなりの田舎に来た思いを子供心にも持った。祖父も、小岩から連絡があった時、「田舎から連絡があった」と言った。
 そうした感じだから、今の下町の範囲には疑問を持つ。山手も同様である。
 時代により変わるとの意見がある。それは東京を知らない人間である。昔から区内に住んでいる者は、大江戸線より外側は郊外との感覚が強い。
(第千百八十七段)
by akasakatei | 2006-11-30 20:50 | 地域 | Comments(0)
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