我が国には、特有の色がある。その種類は豊富であり、日常的にそれを使っていた時代、その精神的な豊さを感じることが出来る。
残念ながら、今日、専門家以外に、それらを区別するのは難しいだろう。
古き良きものが失われていく。
言葉も同様である。
最近の小説は、読んでいて、横文字や流行語が多く、果たして、将来、残るかは疑問である。
古典や近代文学で、今日まで、読まれているものを見ると、文そのものが美しい。
読んでいて、安心する。
これらの多くは、物語性ではなく、文そのものだけで、読む気を起こさせる。
反面、現代文学のほとんどは、内容を競うだけで、読み終わると、疲れる。これは、先にも書いた通り、耳慣れない言葉を使うためである。
教科書にも、そうした作品が採用され、我が国の国語力は、益々衰えていく。
(第千百八十四段)