食事後、受講生らと回向院へ行く。力塚がある。
この後、夕方からは、江戸東京博物館で歌舞伎がある。それまで、時間があり、回向院の隣りにある両国花火資料館にも寄る。
係の年配者がひとりいて、なかなか説明が細かい。
坪数からいえば、かなり狭いものの、訪れる人は多い。
暇を潰している間に、歌舞伎が始まる時間となる。
ここで行なわれる歌舞伎は小芝居的なものである。
例によって、まず歌舞伎のテーマに焦点を当て、希望する観客を舞台に上げる。
この日の演目は、『お祭り』、『息子』、『応挙の幽霊』である。
土曜だからか、子供の姿が目立つ。『応挙の幽霊』では笑い声が響く。
ここで気になったのは、隣席である。五人くらいで来ており、学生と思われる娘の外人の友人が一緒だったのだが、外人が娘に外国語で質問する度、娘は分からず、母親に確認していた。
いくら外国語が話せても、自国の文化を知らなくては、何を外人に伝えるのだろう。
終演後、バックステージ見学がある。大道具、小道具の説明である。これを待っている間、子供がまた観たいと母親に言っていた。こうした傾向は好ましい。主催者側にも嬉しいだろう。
(第千百七段)