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早朝庭(すんだくうきのなかで)

 昨年、佐倉へ変化朝顔を愛でに行ったことは書いた。その際、図録を買い、種を貰った。
 この種をそろそろ蒔かなければならない。
 そう思うものの、忙しく暇がない。土日は、七月まで予定が入っている。芝居や落語、旅など、ひと月以上前に手配を済ませている。釣りに関しては、ふた月以上も前である。
 そこで、早朝に行なう。毎朝、五時には起きる。立夏を過ぎ、今頃は四時には目を覚ます。
 家人に訊いて、裏に置いてある植木鉢を探すところから始める。地元に越して来て、初めて裏に回る。そこには見慣れぬ光景が広がる。
 鉢の準備が整い、庭で、土の準備をしていると、犬の散歩をしている人が通る。塀越しに見れば、向かいの人である。犬を飼っているとは知らなかった。それも黒い大きな犬である。
 頭上で、羽音がするので、見上げれば、烏である。梅の木にいる。
 下に視線を移せば、何匹も小さな団子虫がいる。これを見たのは何年振りだろう。触ろうとすると、すぐに丸くなる。
 忘れていた時間を思い出す。土の匂いや虫の生態、懐かしい。
(第九百八十九段)
by akasakatei | 2006-05-16 21:19 | 余暇 | Comments(0)
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