両国より新橋へ向かう。
途中、秋葉原で下車し、神田まで歩く。これは、万世橋にある交通博物館の上の引込線に、先日、廃止された「出雲」の車輛が停められているからで、それを下から見るとどうなるか興味を持ったためである。
毎日、中央線でここを通っていると、その引込線に停められている車輛は一定期間で変わる。
また、いつも平日の八時過ぎなのに、交通博物館前では、既に、長い行列が出来ている。
この日も、万世橋では、上に停められた車輛に向かい、多くの人がカメラのレンズを向けていた。
正直、万世橋の一角にそうした人を見た時は、かつての万世橋における賑わいを思い出していた。
最近、この付近では萌える人が多いけれど、ここでは、同音異義語のそれである。
これから、向かう旧新橋停車場はその発祥となった地である。文明より文化となった鉄道の記念すべき場所である。
(第九百八十四段)