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宿廃業(やどでのたのしみ)

 最近、長旅に出ていない。一泊二日がほとんどである。
 学生時代、暇はいくらでもあり、時刻表、宿泊案内、地図を鞄に入れ、一回旅に出ると二週間は戻らなかった。
 その際、役に立ったのが宿泊案内である。
 宿泊施設は時刻表の巻末にも掲載されているけれど、そこは駅長が安心して勧められることを基本している。このため、学生にとって値段が高い。
 そうした時、この宿泊案内で確認すれば、都市ホテル、ビジネスホテルは勿論、商人宿や民宿まで出ていて重宝した。
 今、手元にあるのは十年ほど前のもので、その間の経済事情を考えると、廃業している施設も多いと思われる。
 寂しい限りである。今、ひとり旅をしていて、泊めて貰えるのはビジネスホテルばかりである。かつては商人宿や駅前旅館、そしてビジネスホテルと選択する楽しみがあった。それが今では選択肢もない。
 こうした傾向は旅、特に、ひとり旅にとっては楽しみを半減する。宿において、土地の話を聞くことは楽しみのひとつでもあった。
(第九百十九段)
by akasakatei | 2006-03-07 20:55 | 余暇 | Comments(0)
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