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里之秋(やまざとにて)

 安楽寺の入口には蓮池があり、今の時期、季語でいう枯蓮が見られる。
 冬を感じながら、常楽寺に向かう。この繋ぐ道からも町が見下ろせる。
 ここは北向観音の本坊で、重要文化財の石造多宝塔がある。拝観料はここも百円である。
 多宝塔までの道は鬱蒼としており、時々見える黄葉は、そのためか鮮やかである。
 道を気にしながら、多宝塔へ着けば、苔生している。こうした苔を見るのは久し振りである。
 この寺の隣に、別所神社がある。ここは有名ではないらしく、人影もない。立派な本殿がある。奥は開け放たれ、町が一望出来る。
 駅へ戻る途中、豆腐がある。青豆を使った豆腐が売られている。豆乳を飲みながら、青豆について訊けば、減反の影響で、代わりに青豆を作るようになり、それが豆腐に使われているとのことである。
 また、地元の農産物を売っている店を覗けば、むかごがある。季語では知っているものの、初めて本物を見る。
 ここには里の秋が残っている。
(第八百十段)
by akasakatei | 2005-11-18 20:56 | 余暇 | Comments(0)
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