池上本門寺奥庭(しょうとうえん)

 三日、池上本門寺を訪れる。目的は、期間限定で公開されている松涛園である。
 本門寺は日蓮宗四大本山のひとつである。我が家の宗派は日蓮宗だが、信心深くないこともあり、この寺をこれまで訪れたことはない。名は何度も耳にしているものの、わざわざ足を向けようとの思いもなかった。
 東急池上線の池上で下車し、門前通りを歩けば、十一時過ぎだというのに、飲食店は開いている。鮨屋が目立つ。
 十分ほど歩くと、男坂が見えてくる。下から上を見上げると、本山のひとつということもあるけれど、大きな門が見える。上からの見晴らしは良さそうである。尤も、実際に上がると、最上よりも真ん中辺りの方が良い。
 犬の糞の不始末者に対する警告が張られた門を潜ると、境内は広く、題目を唱えている十代の集団や参拝者がいる。
 その傍らを通り、奥庭だった松涛園を目指す。
 それは遠く、途中、幾つものコンクリート製の建物を見る。古い寺でこれは興醒めである。
 松涛園は、江戸の頃、勝海舟と西郷隆盛が城明渡しに関して会見した場所と言われている。今ではその碑しかない。このふたりにより、江戸が守られたのに、その後、百年も経たない間に東京が焼け野原になった愚かさをつい考える。
(第七百四十五段)
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by akasakatei | 2005-09-14 23:08 | 余暇 | Comments(0)
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