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日本橋川舟遊日(にほんばしがわふなあそび)

 朝のうちは、小雨だったものの、舟が出る頃には上がる。暑からず、寒からずに、誠に良い塩梅ある。
日本橋川の上は高速道路が走っている。殺風景である。水も澱んでいる。思ったほど悪臭はせず、時に潮を感じる。町の光景とは言っても、ビルの頭が見えるくらいである。
 ただ、ガイドの説明によれば、江戸の石垣が所々に残され、また、船着場の跡もあるという。
 確かに、説明されれば分かるものの、多くの人は知らないことである。大体、日本橋川沿いを歩いている人のうち、どのくらいの人が興味を示すだろうか。
 ただ、乗り合わせた人は少なくとも、興味のある人で、ガイドの説明にメモをし、写真を撮っている。多くは年配者で、女性の姿が 目立つ。
 今回の舟に船頭はふたりいる。若者である。三浦屋の舟で、粋の文字のTシャツを着ている。
 釣り舟だけれど、何だか、歌舞伎の『乗合船恵方万歳』や落語の『あくび指南』心境になってくるから不思議である。
 特に、三崎町付近で神田川と合流するけれど、そこにはゴミの集積場がある。ダルマ船が埋立地に運ぶ施設があり、その運搬のために、川を占領し、先へ進めない。終わるまで待たされる。待っている間、見知らぬ者と言葉を交わし、時には退屈のあまり欠伸をする。
 ところで、ゴミの量は驚くばかりである。説明によれば、本来、川の行き来は自由で、こうした事態は許されないことだという。
 (第六百九十六段)
by akasakatei | 2005-07-27 21:42 | 地域 | Comments(0)
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