芦原温泉から大阪へは十時三十三分発「サンダーバード十八号」を使う。
待っている間、駅前を歩く。コンビニがある。面白いのは店名が改称される前の金津駅前店だったことである。これは昭和四十七年に変わっっている。
競艇、競輪場に向かうバス停には何人かの年配の男性がいる。また、何故か女子高生がひとり信号に座っている。
この駅には、国鉄時代の北陸特有の雰囲気が残っている。さっき、特急を降りた時、下車客がエレベーターのないことに不満を言っていたほどである。
時間が近付き、駅に戻れば、改札付近にこの一日付けでJR西日本の社長名で先の福知山線の事故に関する御詫びの張り紙がある。どうして今の時期なのか。
気になったので、大阪市交通局に向かう前に事故現場を訪れることにする。
北陸は数日前の大雨が嘘だったかのように晴れていたのに、大阪に近付くと天気が悪くなる。だけれど、乗車してから気になるのは、携帯の振動音のような音である。耳障りである。先頭車を中間車に使った車輛に乗っているからか。検札に来た車掌に訊ねても、車掌も分からず、「大丈夫なので、気にしないで乗って下さい」という。
十二時三十二分大阪着。ここから尼崎で乗り換えて、福知山線の快速で伊丹に向かう。
(第六百八十三段)