(公演ポスター:2017年11月26日撮影)
銭湯へ戻る。
十分前になっても、常連らしき人が現れない。
五分前になり、五十代くらいの男性が何人か来る。
ご隠居がいないのは、珍しい。
浴室の絵は、海だ。ただ、象徴的なものがタイルに張り付けられ
ている。
温まり、劇場へ足を向ける。
芝居だが、どちらの演目も久し振りに上演される。
前者の『坂崎出羽守』は、故山本有三氏の作だ。千姫を巡る主人
公を描く。
先月の歌舞伎座での『沓手鳥弧城落月(大阪城内奥殿、城内二の丸、城内山里糒庫階上)』の後日談的な話しだ。
筋書きでは、千姫を演じる梅枝さんが、我が儘なものの、現代にもいるような女性で役作りをすると出ている。
主人公からすると、迷惑なことだ。
後者の『沓掛時次郎』は、故長谷川伸氏の作だ。博徒を巡る物語で、高砂屋が演じる。意外な役である。場面転換が目立つ。このため、ぶつ切りになる感は否めない。
(第五千二百六段)