(秋の雨の朝:2017年9月28日撮影)
朝七時までに出勤の日、地元の郊外列車の初電に乗る。この時間でも、かなり込んでいる。
この日は、雨だ。
途中で、杖の婆さんが乗って来る。
誰かが席を譲るものの、婆さんは、ビニールで雨避けをしたリュックを背負い、コートも来ている。
全部下ろす間に、婆さんの下車駅に着く。結局、座る間もなかった。
落語にありそうな光景だ。
落語といえば、世では、落語、それに、芝居を論じる本が何冊も出ている。
元々は、大衆の娯楽なのだから、好きなように見物すれば良いと思うが、論じる人は芸術と考えるのだろう。
実際、劇場へ足を運ぶと、芸術だから来ていると見える富裕層の何と多いことか。
芸術故に難しいという印象を与えた点で、活力が失われた気もする。
活力といえば、今の世は窮屈だ。特に、ここ数年間の戦争国家への道を考えると、下手に物も言えない。
(第五千百五十五段)