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古映画本日休診(めいがほんじつきゅうしん)

先に、神保町へ映画を観に行ったことに触れた。同じ特集で、今度は『本日休診』を観る。
仕事帰りに寄ったにも関わらず、雨の夜だからか、整理番号は「1番」である。
始まるまで時間が多少あるので、近くにある文人が通った天麩羅屋に入る。
メニューに横文字がある。訊けば、外人も結構来るという。ただ、定食を食べた後も、なかなか出て行かないから、回転が悪いという。
オリンピックが決まった当時、近辺の店は沸いたものの、今では、実態を知り、難しい表情らしい。政界や財界らが考えているほど、庶民にとっては、有り難くないものみたいだ。郷に入れば郷に従えを外人が実践しない限り、おもてなしと音頭を取っても、店主らには嫌な顔をされるだけだ。来日する外人に対し、まず、習慣や風俗を知って貰う方が先ではないか。
食後、喫茶店で、故木山捷平氏の『新編日本の旅あちこち』(講談社文芸文庫)を読む。「五十過ぎのおばあさん」という表現に頷く。五十代で婆と自覚していない連中が多い今、どういう反応をするか。
ところで、作品だが、戦争の匂いが残っている。それは登場する鉄道について、走行する旧型国電からも分かる。
そうした中、主人公の医者の「生まれて来てから誰もが幸福になることが大事。」という台詞には考えさせられる。これを考えずに、産む親は、最近でも多い。
(第四千二百四十五段)
by akasakatei | 2015-04-15 23:21 | 文芸 | Comments(0)
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