鰻屋出来事(うなぎやにて)

 馴染みの鰻屋に足を運ぶ。
 今年は、体調が優れないこともあり、今年になって初めてだ。今回は、国領の世捨て人とその娘も一緒だ。娘は、今度、二歳らしい。
 以前に触れた通り、鰻が出て来るまでに、少々時間が掛かるため、杯を交わす。とはいっても、ちょっと、口を付けた程度だ。
 正午を過ぎると、郊外とはいえ、近くの勤め人が入って来る。
 韓国人の男性と同僚の女性で、急死した同僚の話しをしている。何でも、我慢強い人だったらしく、痛みがあっても、病院に行かなかったのではないかという。
 世捨て人の娘は、待ち切れず、ちょろちょろとしている。それを世捨て人が追い掛け、抱っこした際、腰を痛めた感じである。
 ふと、祖父に連れられて行った店を思い出す。
 これほど、退屈はせず、大人しく待っていた。祖父は、あまり話し掛けなかった。逆に、世捨て人は娘に声を掛けている。
 家に戻れば、家人が庭にある梅の写真を撮ってくれとのことだ。数年前の台風で折れたものの、それでも、毎年、花を咲かす。紅梅である。
(第四千二百十一段)
[PR]
by akasakatei | 2015-03-12 17:03 | 余暇 | Comments(0)
<< 試験版:鰻屋出来事(うなぎやにて) 試験版:母四態(ははのすがた) >>