母親が歩けなくなる。
これまでにも近くのやや大きな入院設備のある整形外科に定期的に通っていたけれど、ある朝、膝の痛みで、一歩も踏み出せなくなる。
検査をすると、半月板と軟骨が悪く、手術をしなければならないという。最低二週間の入院が必要で、手術日は、空きがなく、ひと月も先だ。
医者によれば、この間、皆我慢をしているとのことだ。何か、おかしいと思う。
というのも、手術日は週一日だけしかなく、入院出来るベッドも限られている。
ここで思うのは、まず、大切なのは、痛みを失くすことだろう。
ならば、それだけの設備しかないなら、手術や入院設備を整える必要もないのではないか。
そう思いながら、地元を歩くうち、つつじヶ丘に出る。
飲み屋などが並ぶ商店街を眺める。一軒の和菓子屋がある。
入って、麩饅頭と酒饅頭を求める。
ここでは、子供が一歳になると背負わす一升餅も作っているようだ。
(第三千九百十七段)