十年に一度の勢力と言われた台風二十六号の朝、初電に近い電車に乗る。同様に考える人間は多いらしく、意外に込んでいる。雨合羽の人も目立つ。
その翌日、冷え込んでおり、いつもより厚着で出掛ける。電車に乗ると冷房が入っている。車掌も半袖だ。
どうなっているのかと思う。
そういえば、車内において、前に立っている西洋人らしき会社員が、応募の経歴書を見ていた。こうなると、嫌でも目に入る。ソフトの開発者らしく、一年も経たずに、様々な会社に移っている。
採用担当からすると、些か、心配だ。長期的に、信用が出来ない。常に、採用の心配をしなければならない。
こうした社会を首相は目指すようだが、果たして、どうか。
更に、首相の所信表明で疑問なのは、頑張る人が報われるとしたことだ。これは、結果を出した人のことで、過程は無視されている。大事なことを見落としている。
平成は暮らし難い世で、後世、笑われる時代になるに違いない。この時代の首相も戦時中の首相と同じように、愚かなレッテルを貼られるだろう。
(第三千七百五段)