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欠定式(ひじょうのさほう)

ある寒い祭日、都内の仕事場にいると、コートを着た三十代後半のセールスマンが音もなく入って来る。名刺を差し出しながら、個人向けの投資について説明を始める。関心もないので早々に引きとって貰う。その際、一度出した名刺を何も言わずに持って行く。
もし、このセールスマンがこうした態度で営業をしているとしたら、契約は取れていないに違いない。だから、祭日にも拘わらず誰もいないはずの都内のオフィスを回っているのだろう。
第一に、ノックもせずに入って来ることからしておかしい。これは最低限のマナーであろう。
第二に、コートを来たままというのも不思議である。普通は玄関
前で脱いで入ってくるものである。最近、寺社仏閣に行くことが多いけれど、そこでもいい年をした人でさえ本尊の前で脱いでいる姿を見たことはない。宗教に関係なく、そこは神聖の場であり、拝観する時は脱ぐのが礼儀である。また、入る時や帰る時にも、そこにいる関係者に見せて貰ったことに対する礼儀として頭を下げるものである。
第三に、帰り際、一度出したものを無言で戻すのはどうか。これは失礼である。
仕事場にいたのは一分くらいだったけれど、短い時間でこれだけの不快な要素がある。呆れる外ない。
この会社については、これまでにも何人ものセールスマンが来ているけれど、およそ好感を持った試しはない。どこかしら、マナーに欠けている点が印象に残っているばかりである。
更に、ここは電話営業もマナーに欠けている。電話に出ると「近くにいるので、今から訪問しても良いですか」と言う。こちらの計画も考えずにどういうつもりか。
こういうことばかりをしているので信用がないのである。相手の心を掴むとは信用を得ることであろう。
(第五百三十二段)
by akasakatei | 2005-02-13 18:44 | 社会心理 | Comments(0)
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