漸く、税務署での手続きを終える。
多少手間取ったものの、日は未だ高い。近くを散策する。
思えば、分倍河原付近を歩いた記憶はない。税務署での用事ばかりで、用を終えると、すぐに電車に乗っていた。
この辺りも、初めて下車した二十年前と比べると、かなり変わった。
南武線の踏切を越えると、樹木が右手に見える。
見ると、神社か寺のようだ。
どのような寺社かと思い、塀に沿って行くと、保育園らしい敷地となる。
名前を見ると、寺の名が付いている。髙安寺というらしい。
入口がどこかと思い、一旦、旧甲州街道に出ると、花屋や石屋が並ぶ。意外に大きな墓地を持った寺だと認識する。
門に辿り着くと、開基は足利尊氏公とある。かなりの名刹と知る。
境内に入ると、張り詰めた雰囲気で、曹洞宗を感じる。
鐘撞き堂も残り、墓地へ進むと、弁慶硯の井というものがある。
源義経一行も来たとのことで、その時は、髙安寺の前身の寺だったという。
(第三千四百四十七段)