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推造煙(うたがわしきいたみ)

 布団に入ったら背中が痛い。寝返りさえ打てない。家人に湿布を貼って貰う。
 家人によれば、急性の膵臓炎ではないかという。膵臓は発見された時には手遅れになることが多いので、検査を勧められる。そこで、翌朝起きても痛みが治らなかったならば、仕事場近くの医師の門を叩くことにする。
 ここは前にも触れたけれど、問診の時間が長い。このため、疑問が訊けるのは有り難い。
 次の日、起きても痛みが治まらない。例によって、診療開始の八時半に行く。オフィス街なので、この時間は空いている。その日の一番目の患者である。
 医師に症状を訴えると、痛みがある背中を押す。
 どうやらそれによると、筋肉や筋を痛めたようで、膵臓ではないという。ただ、念のために血液検査をする。
 医師によれば、膵臓が悪ければ、押した途端に飛び上がるほどの痛みだという。
 こういった話しは滅多に聞かないから興味深い。この種のものをまとめて本にすれば、いざという時に役に立つのではないか。現在、家庭における医学の本も出ているが、それを読むと全ての病気に当てはまる感じがして、むしろ不安にさせている。東青梅の地主も学生の頃、同じことを言っていた。もっと不安を取り除く本が望まれる。
(第二百八十八段)
by akasakatei | 2004-06-14 19:50 | 福祉 | Comments(0)
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