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小利古見値(まつだいへのいさん)

 食事を終えて表に出ると、さっきは気付かなかったけれど箸屋がある。毎日使うものだが、専門店まであるのかと覗く。一般的なものから鉛筆や電車の形をしたものまで、様々である。またディスプレイで面白いことを見付ける。横にするイメージがあるけれど、それを縦にしておくと、まるでテレビの育毛剤のCMにおける髪の図にそっくりで、妙な気分にさせられる。
 箸屋を出、近くにある子供用の和風玩具の店に入る。こういうところには縁がなく、新しい発見の連続である。張子の虎が置いてある。今の子供にとって、刺激は少ないだろうが、ゲームやテレビばかりに夢中になるより良いだろう。
 幾つかの店を冷やかしていると、いつの間にか、表参道を過ぎて渋谷である。
 ここで家人に頼まれていたものを探しに量販店へ足を向ける。どこあるのか分かず、売り場案内を眺めていると、民具とある。興味半分に、探し物の後、立ち寄ってみる。
 蚊取り線香の看板や古時計、それに佐貫の酒仙の父親が欲しがっているちゃぶ台があったりする。その多くは懐かしい。ついこの間まで、日常的に使っていたものばかりである。
 ある学者によれば、これから価値が出るのは新聞の折込チラシだという。特に、風俗学では重要な資料らしい。確かに、その通りで、残している人は少ないに違いない。何に価値が出るのか分からないものである。
(第二百三十五段)
by akasakatei | 2004-04-22 17:24 | 余暇 | Comments(0)
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