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指差袋(しょうぶのさいん)

 図書館をよく利用する。歩いて五分ほどの市役所内に中央図書館があるものの、置いてある本は少なく、しばしば他の図書館から取り寄せをして貰う。
 先日は、国会図書館から借りたようで、館内でしか読めず、複写厳禁だという。とはいえ、館内では読む場所がない。一応、円テーブルがあるけれど、中学生以下優先とあり、六人も座れば一杯になってしまう。
 幸い、本は二百頁もないので、二時間もあれば余裕で読めてしまう。
 いざ頁を開けたが、子供が走り回る雑音や話し声が気になる。
 気になったので、顔を上げれば、カウンターで担当者と三歳くらいの子連れの父親が遣り取りをしている。どうやら、子供が本に落書きをしてしまい、謝っているようだ。父親は子供に謝らせようとしている。子供は何をしたのかさえ分かっていない様子である。言い聞かせているが理解していない。
 そうした状態が十五分ほども続く。最後に子供も理解をする。この間、父親も含めて、担当者も忍耐があると感心した。子育てには根気が必要と聞くが、気が短い者にとっては難しい。
 それは兎も角、川越の図書奉行も似たことがあるに違いない。図書奉行は子供好きのはずだが、それでも仕事とはいえ大変だろう。あるテレビを観ていたら、子供と親しくするには変化球勝負よりも直球で押すことと言っていた。図書奉行も直球勝負をしているのだろうか。
(第二百二十七段)
by akasakatei | 2004-04-14 17:15 | 教育 | Comments(0)
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