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破毛山(だつもうざんまい)

 年齢とともに体力が衰えていくのは仕方がないことなのかもしれないが、やはり寂しさは感じる。若い頃にやり残してしまったことをあれこれと考えてしまう。
 特に、鏡に立った時、愕然とする。髪、皮膚などに歩んできた年輪を見付ける。
 こうなると、電車や街中でもつい他人が気になる。目は頭に集中する。
 その結果、年配の男性に関しては、その多くについて毛が薄くなっている。また、若年者にも結構いる。一方、無縁にも思える女性でも年齢に関係なく、目立つことが分かった。
 そして対策だが、男性は残っている毛を伸ばし隠そうとするものの、女性については、その傾向は見られなかった。
 そこで、書物やインターネットを使い調べたところ、脱毛の症状は脂漏やフケ、男性ホルモンなど複数存在し、それは生活習慣や食事、パーマ、茶髪などと密接な関係があるという。
 つまり、自然とほど遠い生活になってしまった現代では、いつ、誰がなってもおかしくはないといえる。
 この後、注意をしていると、スポーツ新聞や男性向き週刊誌には、カツラや育毛、発毛などの広告が目立ち、また、テレビでもかなり特集が組まれていることを知る。
 今日も車内で観察していたところ、横である書類に目を落としていた女性がいた。書類を見る気はなかったのだが、電車が揺れた拍子に文字が飛び込んでくる。そこには原因別の脱毛についての説明があった。どうやら、その種の会社の新入社員のようである。
(第二百五段)
by akasakatei | 2004-03-12 15:52 | 社会心理 | Comments(0)
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