年が明けた。癸未である。今年は、昨年あまりにも悪かったので、多少縁を担ぐことにする。
福寿草のある部屋で、朝一番に福茶を飲み、そして恵方へ初詣に行く。
それにしても、福寿草を探すのに苦労をした。何軒の花屋を回ったであろうか。縁起物なのに、どうしてであろうか。確かに、花は旧正月に咲き始めるけれど、それでも気分的にあるのとないのとでは違うだろう。
漸く探した福寿草であるが、その栽培方法についてはよく知らない。ガーデニングが流行している昨今ではあるが、福寿草に関しての文献は少ない。花屋によれば、霧吹きで水を掛け、陽当りをよくして下さいとのことであった。それを基本とし、後は独自で調べていくしかないだろう。
それにしても、普段、花屋を覗くことはない。そういう意味では貴重な体験だったといえる。遅まきながら、切り花を主体としているのか、鉢植えなのか、により分かれていることに気付く。
今まで、町を見ているようで見ていなかったということであろう。今年はもう少し引き出しを増やすことにしよう。特に、これまで足を入れなかった地域を積極的に探訪したいと思う。
(第六十八段)