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喜途果(よあけまえの)

普段生活している分には気付かないけれど、我々はつい思い込みで行動し勝ちである。そこに明確な理由があるわけでもないのに、何の疑問さえも感じない。事実を知りたい者は気を付けねばなるまい。特に、専門家と称される人に多い。
例えば、某線の某駅が都市化事業のため、現在工事を行なっている。そこは、これまで上り下り線ともホームの幅が三メートルはあったのだけれど、今度工事のため仮設のホームになった。その幅が恐ろしく狭い。上下線が同一の島式ホームになったこともあるが、四メートルほどである。これでは、ラッシュに対応出来ず、危険である。S駅のような事故が起きないことを祈る。
こうしたことは多い。乙新幹線もそうである。乗った経験のある人は知っているだろう。甲新幹線内で乗降時にドアの下からステップが出てくる。これは甲新幹線がフル規格のことを忘れたための苦肉の策である。更に説明を加えると、在来線と新幹線ではレールの幅が違う。その関係によって、車輌の大きさも異なる。この事情が先の結果となったわけである。
素人からすれば簡単に分りそうなものだが、そうでもないらしい。長年同じ仕事に関わっていると、考え方が硬直してくるのは当然であろう。利用者の視点に立てば、これらの例は防げたはずである。 
今日、どこの職場も求めている人材は軟らかい発想の持ち主である。言うのは何でもないけれど、実際そのような人は少ない。これは社会化とも関係する。いくら時代が求めているとはいえ、そうした人間を本当に必要とするなら、かなりの覚悟が欲しい。その場合、改革ではなく、革命となるかもしれない。これは歴史を振り返れば明らかである。
(第三十四段)
by akasakatei | 2002-06-16 12:06 | 社会心理 | Comments(0)
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