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異形地下街(てんじんちかがい)

 福岡市営地下鉄空港線の天神から七隈線の天神南までは徒歩連絡となっている。天神の改札を抜けると案内表示があり、それに従う。どうやら、地下街で繋がっている様子である。雨の日には有り難い。
 この地下街は多少変わっており、洞窟のように暗い。非常時は大丈夫なのか。
 それにしても、地下街は土曜の午後だからか凄い混みようである。すぐ前を行く人の歩き方が遅いため、人の間を縫う様に進む。観察したところによると、あちこちで通路の途中だというのに、立ち話をしている連中を見掛ける。他人への迷惑を考えていない。
 そうした中、チラシを配っている人もいる。受け取れば、この地下街の案内である。それによれば、七隈線の開業により、この地下街も生まれ変わったとある。これで納得する。新しくなってから初めての土曜なので、この人出なのだろう。また、この地下街が暗いのは十九世紀のヨーロッパを真似したからだという。鉄、レンガ、石を基調にし、光と影による落ち着いた空間を演出したらしい。だけれど、夜などひとりで歩く気分にはなれない。
 十分ほど歩いて、やっと七隈線の改札が見えた時はほっとすると同時に、そこにもまた人の群れがいて、疲れを覚える。地元の初乗り体験者である。地方の地下鉄では意外とこの種の客が多い。
 七隈線はミニ地下鉄のため、車内は立錐の余地もない。特に、運転室のすぐ後ろが混んでいる。これは運転室との仕切りが下半分しかなく、運転士の感覚に浸れるからだろう。一般的に地下鉄は、カーテンで隠しているから、この感覚が物珍しいことは確かである。
(第五百三十段)
by akasakatei | 2005-02-11 21:02 | 余暇 | Comments(0)
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