入試の季節が近付いてきた。かつては理系、文系と学部名を聞いただけではっきりしたけれど、最近のそれは分からない。
物事を文系、理系と分けずに、グローバルな視点で考えることは大切である。ただ、突き詰めて考えていくと、この世の中、発想が論理的か否かはあるだろう。
例えば、数学は論理的である。論理的ということは、音楽も得意に違いない。音楽は、五線と音符だけの世界で成立している。また自然科学は当然として、法学や経済学などの方面にも才はあるに違いない。
一方はどうか。このグループは、人文科学や美術、行動科学などを得意としている。
こうした点から考えていけば、理系や文系よりも帰納や演繹で分けた方が納得はいくだろう。
尤も、人というのは自分でもどういう人間か分からないものである。他人なら尚更である。わざわざ類型化する必要もないだろう。人生とは自分を知る旅であり、恐らく死ぬまで分からないに違いない。それを早々に決めてしまうのは可能性を潰すだけである。
(第五百七段)