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夏函館温泉(なつのはこだておんせん)

函館を初めて訪れたのは二十年ほど前だ。当時の雰囲気はない。働き手も若返っている。小綺麗な店も目立つ。
腹拵えを終えても、未だ、十時前である。次に市営谷地頭温泉で汗を流すべく、再び、市電に乗る。
谷地頭で下りる人は、朝同様に多くない。本当にあるのかと思う。
それでも探すと、電停より歩いて数分のところだ。
券を買い、浴室に入ると、地元の年寄りばかりである。
湯船に入り、三十分ほど過ごす。眠くなる。
ここは海も近く、歩いていると、涼しい風が吹く。漁師が、三十一度まで気温が上がると仲間に話している。ただ、沖は霧で見えず、ウミネコの鳴き声が聞こえるだけだ。
函館駅前に戻り、北海道鉄道博物館を覗く。
デパートのワンフロアを使っている。
中にはトロッコが敷かれ、模型のスペースもある。また、部品や古本も扱っている。
ここでは入場券を買えば、まず、トロッコを体験出来る。ふたつの線がある。ひとつは商品群を縫い、もうひとつは炭坑体験だ。
何れも円周で、各々二周する。
どうしようか迷っていたら、四十前後の男性スタッフに勧められる。ここでも出張と間違えられる。
それにしても、商品群の線路は人が押すので、芥川龍之介の『トロッコ』を思い浮かべる。押すのは、先ほどのスタッフである。
途中、踏切もあり、小学校低学年くらいの男の子が手を振る。振り返す。
炭坑の方は、防毒マスクも飾られ、やや不気味だ。こちらはモーター車が押す。
(第二千九百二十八段)
by akasakatei | 2011-09-06 21:20 | 余暇 | Comments(0)
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