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鶴女房(ゆうづる)

オペラ『夕鶴』を聴きに、新国立劇場まで足を運ぶ。
どういう理由か知らぬが、オペラは公演回数が少なく、チケットの入手が難しい。また他のオペラ公演でも同様だけれど、予約開始はかなり早い。今回の場合だと、二月六日の公演だったにも関わらず、発売は九月だった。予定の立たない人も多いと思われるのに、予約電話はなかなか繋がらなかった。
予約したのは二階のA席である。俯瞰するには良い。
新国立劇場でのオペラのチケットは、先のような理由でまず予約電話を掛ける気にもなれない。珍しく行く気分になったのは、発売ちょっと前に、作曲者の故團伊玖磨氏の本を読み、頻繁に『夕鶴』が登場したからだ。
このオペラは故木下順二氏の作品を元にしている。
興味深いのは、儲けに目覚めた男主人公の女主人公に対する態度である。
この場面を見て、観客はどう感じたか。
客席は定年を迎えた風な夫婦連れが目立つ。洋服や手荷物を見ても、生活に余裕がある雰囲気だ。
特に、細君については、専業主婦で会社勤めをしたことがなさそうな女性ばかりだ。
こうした層は、言葉では納得しても、現実的には理解出来ないに違いない。
(第二千七百二十六段)
by akasakatei | 2011-02-16 19:35 | 文芸 | Comments(0)
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