定期券入れを取りに行った後、最初の休日である一月八日に、巣鴨のとげぬき地蔵まで、足を運ぶ。
お礼参りのためだ。
家人の話しによると、早くに亡くなったために、顔を知らない父方の祖母が熱心にお参りに行っていたという。
そういえば、子供の頃に、家族で訪れたことがあるけれど、あれは、未だ、出掛ける習慣が残っていたのか。
この祖母が生きていた時には、正月になると、必ず、成田山にも行っていたらしい。
何れにしろ、お参りは何年振りかだ。
巣鴨へは、八ツ目鰻を食べる目的で下車するものの、とげぬき地蔵自体を目当てに、ひとりで下車したことはない。
今回、とげぬき地蔵を訪れるに当たり、塩大福とお札を家人に頼まれた。
まず、菓子を買い、お礼を済ませ、お札を買う。ここは三人の僧が担当している。一列に並ばせないので、混乱が起きている。
本堂を出、境内を見回すと、不釣り合いな高校生らがいる。
どうやら近くの学校の生徒のようだが、境内に集まり、暇潰しをしている。何だか、場違いな印象を受ける。
(第二千六百九十七段)