夜、点検で中央線が遅れる。「発車まで、十分ほど待って下さい。」との車内放送が、東京駅で流れる。夕方のラッシュであり、すぐにホームは一杯になる。
どうして、振替の手配をしないのか疑問である。
この案内があったのは、それから五分してからである。
朝にこうしたことがあった時は、意外と早く、振替の案内があるものの、夕方は何故か遅い。
結局、地下鉄で帰る。
地下鉄から郊外電車に乗り換えると、皮ジャンを着た若者が魚肉ソーセージを食べている。
パンや御握りは見たことがある。これは初めてである。
また、丁度、この日は雨である。
折り畳み傘を持った五十代の会社員がいる。
釣り革に掴まりながら、折り畳んだ濡れた傘をその位置で持つものだから、電車が揺れる度に、滴が周囲に垂れる。
迷惑になっていることを分かっていない。
どうも似非都会人には、困ったものである。
(第二千三百五十四段)