『東海道中膝栗毛』を読む。子供向けのは、読んだことがあるものの、原文では初めてである。
これに関し、意外と気になったのは、主人公ふたりである。江戸生まれでもないのに、何回となく、江戸っ子と口にする。
ここでは、江戸住まいというだけである。育ったわけでもない。
ふと、最近の似非都会人と重なるものがある。
ある意味、行なっていることは変わらないともいえる。
やはり、本当の江戸っ子というのは、最低三代に渡り住み、町を知っている必要があるだろう。知っているとは、伝統も含めてのことである。
普通、小学校の社会の授業では、近所から始まり、学年が上がるに従い、地域、区町村、都道府県、全国と教えていた。
この過程を経ないと、大人になって引っ越すと、その地について、知らないことが結構ある。
疑問に思っても、よほど興味がないと、調べる人もいない。
そのように考えると、似非都会人はどうか。
外見だけ、都会人に見せても仕方がないのである。
(第二千三百四十四段)