東劇へシネマ歌舞伎を観に行く。
正直、歌舞伎を映像で観ることに関し、抵抗があり、これまで足を運んだことはなかった。
舞台はやはり、その場に行って観るべきとの思いが強いためである。
では、何故、足を向けたか。
これまで、シネマ歌舞伎は何作か上映されている。何れも好評だという。
それらのうち、坂東玉三郎丈の『特別篇 牡丹亭』だけは異色となっている。これは中国の昆劇との合同公演となっている。東京では演じられていない。
内容は、ドキュメンタリーと舞台のふたつである。
昆劇を知るため、またシネマ歌舞伎がどういうものかを理解したかった。
映像は美しい。ただ、物足りないのは、映像は主役を中心とするから、舞台全体が分からないことである。
それでも、実際の舞台を見逃した場合、これにより観るのも悪くはないと感じる。
(第二千二百五十九段)