国立劇場での九月文楽公演へ行く。第二部と第三部である。
演目は、第二部が『伊賀越道中双六(沼津)』、『艶容女舞衣(酒屋)』、第三部が『天変斯止嵐后晴』となっている。
『伊賀越道中双六(沼津)』は歌舞伎では観たことがあるものの、文楽では初めてで、、『艶容女舞衣(酒屋)』は歌舞伎、文楽とも初めてである。
よく上演されることもあり、安心していられる。
これらに対し、『天変斯止嵐后晴』はシェイクスピアが原作の新作文楽である。
新作の場合、視点が面白い半面、未だ余分な箇所を感じる時がある。
今回、初演が平成四年、再演を今年の七月に大阪で行なったこともあり、そうしたことはなかった。
二時間の上演中、一度の幕間もなく、一気に話しが進む。
話題作のためか、日本人の知り合いに連れられた若い西欧人を見掛ける。こうした連中は、マナーを知らず、上演中にデジカメを取り出す。知人である日本人は注意すべきなのに、それをしない。
間違ったことをそのままにしておくと、どこでも行なう可能性がある。外人は本能的に我の強いところは動物と変わらず、言われなければ分からない。察することを知らない。
(第二千二百十五段)