仕事で大学病院の待合室に半日ほどいる。
インフルエンザが流行している現在、あまりいたくはない場所である。実際、マスク姿をよく見掛ける。
そうした中、考えさせられたことがある。
最近の大学病院は、昔とは異なり、待合室の一角にチェーンのコーヒー屋が出店している。利用している人も多い。そこには区切りはない。
果たして、どうなのか。
このように思うのは、幼稚園に入園する前の頃、祖父と病院へ見舞いに行ったことがあるためである。
見舞ったのは、以前に触れた、近所の戦時中に隣組の組長をしていた人である。
その時、奥さんが煎餅をくれた。
これに対し、病院を出ると、祖父は汚いからといって、それを捨てさせた。
祖父にそうした考えがあったこと自体に驚く一方で、今は何も考えていない人がほとんどではないかと考える。
(第二千二百九段)