産土神に挨拶をした後、これまで行ったことのない新坂方面へ足を向ける。
この辺りは、佐貫の酒仙が詳しい。
酒仙と当時のことを話していると、子供時代に戻るから不思議である。
ただ、違うのは世の柵があるということか。
新坂を上がると、カナダ大使館の脇に出る。
ここにはギャラリーがあるようだが、土曜は休館となっている。
青山通りより表参道へと向かう。
酒仙が、同潤会アパートの跡へ行こうと言う。
名前はよく聞くものの、未だ、訪れたことはない。
現在は、再開発で新しい建物となり、一部に古い箇所があるらしい。
神宮外苑を過ぎた辺りより、人が増え始め、如何にも消費主義者という顔をして歩いている。
目指す建物はそれこそ、消費主義者の殿堂という感じであり、中に入っているテナントの店員は視線が合っても、会釈すらしない。
(第二千百八十六段)