毎夏、佐貫の酒仙と暑気払いを行なう。
暑気払いは泥鰌である。昨年までは浅草であったが、今年は両国にし、川魚を食べさせる店へ足を向ける。
店内に入ると、某相撲部屋やここで開かれている寄席に出演している噺家らの色紙が飾られている。
この日の夕方に酒仙は用があるとのことだったので、昼から飲み始める。
昼酒は嫌いではない。一日がそれこそ流れるように感じる。明るい間に、家路に着くのも悪くはない。
更に、その席上、酒仙より、その用がなくなったと聞き、腰を据えて飲み出す。
本来、川魚だからビールより日本酒が合うのだけれど、何故か、この日はビールばかりを飲む。
このため、店で用を済ませたのに、駅に向かうまでの間にまたトイレに行きたくなる。
ホテルのロビーならあるかと思えば、設置されている様子もなく、結局、コンビニで借りる。
(第二千百八十四段)