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江戸歌舞伎趣向(かぶきのくふう)

 新橋演舞場での弥生花形歌舞伎へ足を運ぶ。
 演目は『獨道中五十三驛』である。これは猿之助十八番のひとつになっている。
 これからも分かるように、歌舞伎を観たことがない人でも楽しめるものとなっている。
 序幕での宙乗り、二幕目の本水、そして大詰の早替りである。
 演じる役者は、勿論、澤瀉屋の一門である。
 内容としては、京から江戸までの仇討を柱としている。
 だけれど、芝居巧者として、見逃せないのは、所々に、色々な芝居のパロディがあることだろう。
 それにしても、大詰における右近丈の早替りを観ていると、江戸から続く歌舞伎の工夫を感じる。当時の観客もそれで驚いたに違いない。
 また、その代役をする役者についても、顔を見せない分、誰が代わっているのか、気になる。その後ろ姿や筋書きで出番の少ない役者より推測する。
 何れにしろ、江戸歌舞伎らしいものとなっている。
(第二千二十三段)
by akasakatei | 2009-03-15 18:13 | 文芸 | Comments(0)
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