今ほど、経営者にとって、利益を出すのが楽な時代はないだろう。何しろ、雇用者を削減さえすれば、利益が出るらしい。
また、雇用の継続より、利益を求められている旨の発言をした経営者がいたけれど、企業における社会的責任をどう考えているのか。
察するに、株主に目が向いていると思われるものの、以前より触れて来た通り、新自由主義は失敗したのであり、それに捉われる理由はどこにも存在しない。
更にいえば、この経営者は、グローバルの意味を勘違いしている。
長期的視点で考えれば、失業者を出すことは、国内において、消費が増えないことに直結する。これに関しては何度も指摘してきた。
経団連は雇用について、努力すると口先では言っているが、果たしてどうか。
景気が良い時には、経営者や株主への手当ては厚くしても、雇用者の賃金は上げなかった。不可解なことに、不景気な時には、雇用者の賃金を下げようとする。
正に、明治より終戦までの資本家の姿そのものである。
真の経営者とは、不景気時にも、雇用削減に走ることなく、経営努力をする人のことで、先のような経営者は無能ともいえる。政権を投げ出した元首相らを見ているみたいである。
(第千九百七十一段)